「人に貸した車」〜事故を起こしたら自分にも多額な賠償責任が
2012-02-21 20:14
浦整骨院
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交通事故は時に重大な被害を生み、高額の賠償請求が発生することもあるだけに、安全運転を心がけている人も多いだろう。
 では、人に車を貸して不幸にも事故が起きてしまった場合、賠償責任はどうなるのか。
 例えば大学生の息子が合宿に行くので、車の保有者である父親が車を貸したとする。息子が人身事故を起こせば、被害者や遺族は、この息子だけでなく父親にも同じように損害賠償を請求できる。
 被害者は取れるところ、つまり責任がある人から取るだけのことなのだ。つまり賠償責任という意味では、息子の起こした事故であろうが、保有者である父親自身が事故を起こした場合と同じなのだ。

 車の貸し借りでは、運行支配と運行利益という考え方がある。車を支配下に置き、その利益を享受している者は、人に貸している間の事故でも責任を負わなければならない。
 保有者の父親が息子に運転を許可した以上、車は息子を通して父親の運行支配下にあり、その支配によって利益を享受していると考えられる。また、支配下にあるからこそ、必要に応じて借り手に「早く帰ってこい」とか「高速道路は使うな」といった指示もできる。


■貸し手には大変なリスクがついて回る

 親子・夫婦はもちろん、高齢の親、友人、お隣さんに貸しても事故の場合の賠償責任は保有者にも同じようにのしかかる。では、息子が合宿に行く途中で、友達に運転を代わってもらい、その友達が事故を起こした場合はどうか。
 父親は運転手交代を知らされていなかったとしても、貸し手として息子に指示・監督できる運行支配者であることは変わらず、息子が事故を起こした場合とまったく同じように賠償責任があるのだ。

 一方、運行支配が及んでいない典型的なケースは盗難車の事故だ。泥棒が事故を起こした場合、保有者には賠償責任はない。
 微妙なのは、「だめだ、貸さない」と息子に言っていたにもかかわらず、勝手に乗り出されて事故を起こされた場合だ。
 鍵の管理や日頃の息子に対する態度など、さまざまな要素から保有者の責任が判断される。玄関に車のキーが無造作に置かれているような緩い管理の場合と厳重に金庫に保管しておいたのに、息子がこじ開けて持ち出した場合では、やはり管理の程度が違ってくる。
 あるいは、いつも口では「勝手に乗るなよ」と言いながら、息子が勝手に乗り出しても特に注意もしないことが常態化していた場合、息子の乗り出しを日頃から黙認していたと判断されかねない。
 本当に息子に貸さない方針なら、鍵の保管もきっちりしておかないと、息子に運転を禁じていた証拠にならない。このように、文字どおりケースバイケースで保有者の賠償責任の有無が決まる。

 最初は明らかに息子に貸したケースでも、いつのまにか盗難同然になることもある。一泊の合宿に貸してほしいと言われて、これまでも問題なかったので、父 親がきちんと指導したうえで貸したとする。ところが、息子は理由もなく合宿先から失踪し、半年後、どこかで事故を起こすといったケースだ。途中から父親の 運行支配が及ばなくなる可能性があるのだ。
 当然、普段の行動や家出歴、非行歴などを総合的に考えて判断することになるが、こうした兆候がなかったとすれば、失踪後しばらく経過した後の息子の運転については運行支配が及ばないと判断される可能性が高い。

 車の貸し借りでは、「貸したら自分が責任を負う」という前提で行動するのが基本だ。車を貸す以上、又貸しの可能性まで含めて借り手に監督・指示する必要があるし、事故の賠償責任も背負い込むつもりで貸すことになる。
「それじゃあ怖くて他人はおろか、家族にも貸せないよ」と思うかもしれないが、そのとおりで、車の保有者とはそういう管理責任を負っているのだ。
 車を貸すという行為は、一見、人助けのいいことのようだし、借りるほうも気楽に考えていることが多いが、実は貸し手には大変なリスクがついて回ることを覚悟しなければならない。



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