低い保険加入率 悲劇生む、危機意識欠如
2011-11-25 15:16
浦整骨院
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迷走】自転車対策の現場(上)

 警察庁が打ち出した「自転車は原則、歩道走行禁止」といった方針の徹底に、波紋が広がっている。「唐突」とさえ受け止められたこのメッセージにはどのような背景があるのか。

 東京都大田区の無職、東(あずま)令子さん=当時(75)=は昨年1月、買い物に出かけ、繁華街の横断歩道を渡っていたとき、右側から強い衝撃を受けて転倒した。東さんは集まってきた人たちに必死でこう言った。

 「病院なんていいですから…」

 自転車事故だった。「大事をとって」と病院に搬送された東さんは間もなく意識不明に陥った。

 連絡を受けて長男の光宏さん(41)が病院に駆けつけたとき、まさに緊急手術の真っ最中だった。4〜5時間に及ぶ手術を終えて、手術室を出てきた東さんの姿は変わり果てていた。光宏さんはいまも忘れることができない。

 「生きてはいたが、目の周りが真っ黒に変色して、人の表情を失っていた」

 東さんは、転倒した際に頭蓋骨にひびが入り、頭部で内出血を起こしていた。5日後、意識が戻らないまま息を引き取った。

 □10万件超す事故

 自転車をめぐる事故は予想以上に多い。

 警察庁の集計によれば、今年1〜9月末で全国で10万件超にもなるという。交通事故全体に占める自転車事故の割合は上昇傾向で、都市部ではその傾向が顕著。都内では37・7%にも上る。

 東さんのように、はねられた人が24時間以内に死亡する事故も毎年全国で5件前後起きている。

 「母も自転車に乗ったし、私も乗る。自転車が悪いというつもりはない。しかし、事故を起こすと、大変な結果を生むということを分かってほしい」

 光宏さんはそう話す。

 事故を起こしたのは会社員の男(44)だった。スポーツタイプの自転車で走っていたが、下を向いて赤信号を見ていなかったため横断歩道に進入し、東さんをはねてしまった。急ブレーキをかけたが、間に合わなかった。

 男は在宅のまま重過失致死罪で起訴され、昨年11月、東京地裁で禁錮2年、執行猶予3年の判決が言い渡された。

 光宏さんら遺族には、この量刑が軽いように思えてならない。

 □「原則、車道」困惑

 事故を起こせば、ときには自動車事故と同じ結果をもたらす自転車だが、自動車と大きく違う点がある。

 保険の問題だ。事故に備えて、自動車のように損害保険に加入している利用者はほとんどいない。

 日本交通管理技術協会(東京都新宿区)によると、平成20年の協会公認の自転車専用保険にかかる費用は1千〜2千円だが、加入率はわずか約2%。

 光宏さんも事故の相手に数千万円の損害賠償を求める考えだが、加害者が保険に入っていなければ、十分な補償は望めない。

 自転車事故に詳しい高山俊吉弁護士は「自転車は恐ろしい事故を招きかねないが、自転車向けの保険に入っている人はごく少数。利用者の危険に対する意識は低い」と話す。

 こうした背景から警察庁は方針徹底を打ち出したが、自転車を利用する多くの国民は予想以上に困惑している。危険性を認識しながらも、「原則、車道」では、「自転車側に危険がさらに高まる」とも考えてしまう。

 安全に歩行者が行き来し、自転車が走行できる環境づくりは可能なのか。方針を検証しながら、考えてみたい。(西尾美穂子)



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